言葉の遅れを抱える子どもにおすすめの絵本を、10選をご紹介します。
自閉症スペクトラム障害(ASD)や発達障害、グレーゾーンの子どもたちにとって、絵本は新しい世界を開く重要なツールです。
言葉の理解を深め、コミュニケーションの世界を広げるための絵本を厳選しました。
絵本を通じて絆を深めながら、楽しく学べる読み方のコツもお伝えします。
一緒に、お子様の言葉の世界を豊かにしましょう。
言葉の遅れに絵本をおすすめする理由
言葉の遅れを抱える子どもに絵本がおすすめな理由は、次のような効果が期待できるからです。
- 言葉の理解
- 親子のコミュニケーション
- 視覚的情報から模倣へつながる
- 集中力や注意力の向上
- 社会のルールを学ぶ
- 文字の勉強
とくに、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子ども達は視覚優位な特徴を持つ子が多いため、絵本の読み聞かせはおすすめです。
言葉だけでは理解が難しい社会のルールやコミュニケーションを学ぶ機会となり、模倣することで私生活にも応用できます。
年齢が上がりセリフを丸暗記できるようになったら、子ども自身で絵本を読むこともできます。
セリフを暗記することで、文字を読む難易度が下がり、読書の喜びや他人に思いやりを示すことを学ぶ機会となるでしょう。
読み方のコツ
私が保育現場で心がけていた、絵本の読み方のコツをご紹介します。
障害のない子どもにも有効な方法なので、ぜひ試してみてください。
ゆっくり抑揚をつけて読む
絵本を読む時は、単語を聞き取りやすいよう、ゆっくり読んであげましょう。
「セリフ」「擬音」など声のトーンに抑揚をつけると、感情も察しやすくなります。
指さしで注目させる
自閉症スペクトラム障害(ASD)や発達障害、グレーゾーンの子ども達は、絵本に興味を示さず座っていられない子もいます。
そんなときは、読むだけでなく「指さし」を加えてみましょう。
初めのうちは、ストーリーを読まなくても大丈夫です。
絵を見て「これなあに?」「リンゴ、おいしいね」など、お子さんが興味を持ちそうな言葉かけを行い、絵本に注目する時間を増やしていきます。
拍手やジェスチャーで、感情を表現するのも効果的です。
絵本に注目する時間が増えてきたら、「誰が」「何を」「どうしたか」を短い言葉で伝え、徐々に絵本のストーリーを完成させましょう。
読むときはワンパターンで!
絵本で読んだセリフや擬音語は、アレンジは加えずワンパターンを心がけましょう。
ワンパターンなセリフや擬音語は、音として耳に残り覚えやすくなります。
とくに、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子は、テレビCMやアニメの影響を受けやすい特長があるため、ワンパターンな話し方はとても有効です。
絵本を通じ、適切な場面でセリフを思い出せるようになると、私生活でも応用できるようになります。
息子は要望が通らないと、
「ノンタンぶらんこのせて」のセリフで抗議してきます!
ずるいよ!ずるいよ!ママずるいよ!
順番変わってくれなきゃ、もう遊んであげない!
普段は2語文しか話さない息子も、絵本のセリフだと長い文章も話せます。
「順番」とは関係のない場面で使用することが多いですが、「イヤだ」という感情は伝わってきます。
途中で止める・間違える
絵本を見る時間が増えワンパターン化したら、途中で止めたりわざと間違えたりしてみましょう。
「えっ?」と思わせるのがポイントです。
お決まりなセリフが来ないことに疑問を抱き、「違う」「〇〇だよ」など声が上がるのを待ちます。
「おーい」「1・2・3」などのセリフは、子どもが参加できるよう声掛けしてみましょう。
参加型の読み聞かせにするだけで、絵本への興味も高まります。
自閉症・発達障害児におすすめ絵本10選
自閉症スペクトラム障害(ASD)や発達障害、グレーゾーンの子どもたちにおすめの絵本を10選ご紹介します。
対象年齢に限らず、まずは絵本を見る習慣をつけるため、子どもが興味を持ちそうな絵本を選ぶようにしましょう。
文章が多めの絵本よりも、絵で状況がわかるような絵本がおすすめです。
1.だるまさんシリーズ(全3巻)
赤くて丸いだるまさんが、転んだり伸びたり!テンポの良い「だ・る・ま・さ・ん」のリズムに合わせて、かわいいリアクションが魅力の絵本です。
ファースト絵本やギフトとしても人気が高く、保育の現場でも多く活用されています。
だるまさんが
だるまさんの
だるまさんと
2.赤ちゃん版ノンタンセット(全9巻)
1歳から楽しめる「ノンタンシリーズ」の赤ちゃん版。
おもちゃや食べ物、生活習慣など、かわいいノンタンたちと一緒に楽しく覚えられる絵本です。
リズミカルな言葉の繰り返しなので、トイレや歯磨き練習の声掛けにもおすすめです。
ノンタンおしっこしーしー
ノンタンはみがきはーみー
ノンタンもぐもぐもぐ
ノンタンにんにんにこにこ
ノンタンはっくしょん!
ノンタンおはよう
ノンタンじどうしゃぶっぶー
ノンタンあそびましょ
てんじつき さわるえほん
ノンタンじどうしゃぶっぶー
3.「これなあに!かたぬきえほん」シリーズ
「これなあに!かたぬきえほん」シリーズ第1弾。
かたぬきされたページをめくると、カラフルな動物たちが登場!「だれかな?」となぞなぞを解くよう進むストーリーが、子ども達の好奇心や想像力を高めるかわいい絵本です。
英語も遊びながら学べます。
のりものいろいろかくれんぼ
くだものいろいろかくれんぼ
やさいいろいろかくれんぼ
クリスマスのかくれんぼ
ハロウィンのかくれんぼ
どうぶつもようでかくれんぼ
うみのいきものかくれんぼ
はないろいろかくれんぼ
おきがえいろいろかくれんぼ
むしいろいろかくれんぼ
たのしいおもちゃかくれんぼ
とりのもようでかくれんぼ
4.パパ、お月さまとって!
「パパ、お月さまとって」のむちゃぶりに答えるため、パパは「ながーいながい」はしごを持ってお月さまのもとへ向かうストーリーです。
作者は「はらぺこあおむし」でお馴染みのエリック・カール氏。「ながい」「大きい」などの形容詞が多く登場し、2語文を話し始めの子どもにおすすめです。
5.おおきなかぶ
「うんとこしょ、どっこいしょ」でお馴染みのおおきなかぶ。ワンパターンな掛け声が、子ども達に人気の絵本です。かぶが抜けたら、ハイタッチを加えてみましょう。協力や喜びを共有するキッカケとなります。
6.ねないこ だれだ
「恐怖」や「好奇心」を育てる絵本です。夜中に起きている女の子が、おばけと出会う、ハラハラドキドキのストーリー。
最後に女の子が連れて行かれた先は…。
大人も子どもも楽しめる、ちょっぴり怖い世界を体験しましょう。
7.ぐるんぱのようちえん
ぐるんぱは、とても大きなぞうです。
ぐるんぱは、さまざまな場所で働きますが大きすぎる物ばかり作ってしまい、失敗ばかり。落ち込んでいるところ、子どもがたくさんいるお母さんに出会い…。
自分の居場所が見つかる、ほっこりするエピソードがかわいい絵本です。
8.カブトくん
カブトムシが大好きな男の子が、大きな幼虫を育て、成長した大きなカブトムシと一緒に遊ぶストーリーです。
お風呂に入ったりおやつを食べたり。
友情を深め、やがて森に帰っていく切なくも温かい思いやりにあふれた絵本です。
9.きんぎょがにげた
金魚鉢の「きんぎょがにげた」。
カーテンやイチゴの上など、部屋中いろいろな場所に逃げる金魚を追いかけるストーリーです。
自由気ままに逃げる金魚を「どこ?」「いた!」と、かくれんぼするようにタッチしながら探してみましょう。
10.ぞうくんのさんぽ
「いっしょにいこう」と誘った友だちを、背中の上にのせて散歩するぞうくん。
やがて池の側までやってきて、「うわー」「どぼーん」!?お約束の展開に子どもも大喜びなストーリーです。
絵本は社会にルールを学べる
言葉の遅れを抱える子どもにおすすめの絵本を、10選ご紹介しました。
絵本は、社会のルールや友だちとの関り方など、さまざまなマナーを学べる知育玩具のひとつです。
また、集中力や想像力の向上にもつながるので、どんどん取り入れていきましょう。
言葉の遅れを抱える自閉症スペクトラム障害(ASD)や発達障害、グレーゾーンの子どもたちが、言葉に興味をもつキッカケになってくれると嬉しいです。
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